【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
リナちゃんと仲良くなったのも、リナちゃんが話しかけてきてくれたからだし……
さっきの女の子たち、きっと一年生だろうから、本来なら私から話しかけるべきだよね……。
……あ、そうだ。
あの人たちに、和泉くんのことお願いできないかな……。
私からお願いするのも、なんだか変な話だけど……このままじゃ心配で、他の仕事が手につかない。
2つ目のバンジュウを持って、再び食堂へ行く。
はぁ……緊張してきたっ……。
扉の前で、深呼吸をひとつ。
ちゃんと頼まなきゃっ……。
そう決意して、扉に手をかけた時だった。
「ねぇ、なんか手伝った方がいいんじゃない?」
「確かに……リナ先輩は口うるさかったけど、花染先輩1人で頑張ってるし……」
「あたしらなにもしてなさすぎて、そろそろ怒られそう。ちょっとくらいなんかした方がいいかもね」
中から、そんな会話が聞こえてきた。