【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


……え?


マネージャーさんたち……もしかして、手伝うつもりで集まってくれたのかな……?

なんだか、少し嬉しい気持ちになる。


全く仕事したくないんだと思っていたから、少しでも協力姿勢を見せてくれたことが、嬉しかった。


……よ、よし。



扉を開けて、もう一度食堂に入る。


さっきと同様に、私が入ってきた途端無言になるマネージャーさんたち。

私はテーブルにパンを置いてから、マネージャーさんたちの方を向いた。



「あ、あのっ……」



私の声に、マネージャーさんたちがビクリと反応したのが見てわかった。

ごくりと、息を飲む。


が、頑張るんだ、私っ……。



「よかったら……今体調を崩している部員さんがいるので……看病をお願いできませんか……?」



なんとかそう口に出来て、達成感が湧いた。

い、言えたっ……!


けれどすぐに、返ってくる反応に対しての不安が襲ってくる。

無視されたら、どうしようっ……。

こいつなに指図してんだとか思われてたり……っ。


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