【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



こんなこと思ってるってバレたら、きっと幻滅されるんだろうけど……


——同じだ。


この女の子たちと、なにも変わらない。

俺にだって、裏表があるだけの話。


ていうより、俺は別に幻滅されたって構わない。

これが楽だからそうしてるだけ。


それに、一年の頃は俺だって反発した側だったんだ。

サッカー部のマネージャーは、金魚のフンの集まり。


どの学年にも、何故かアイドル的な部員が存在し、その追っかけのようなものだ。


一年でレギュラーになった俺も、すぐにそのターゲットになった。

鬱陶しくて部活に集中出来ないからやめさせてほしいと、当時のキャプテンに相談したところ……



『でも、女がいた方が男の士気が上がるんだよ。他の部員のためにも、我慢してくれ』



そう笑顔で言われ、こいつ何言ってんだと思ったのを憶えている。

まさか自分が、キャプテンになって同じ言葉を吐くことになるとは思わなかったけど……。




< 267 / 507 >

この作品をシェア

pagetop