【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


「キャプテン……見学だけでもいいから、いさせてください……」

「ダメだ。つーか、他の奴にも風邪うつる可能性あるだろ。そういうことも考えろ」

「……ちっ」



こいつ今舌打ちした……?

俺のこと先輩だって思ってないだろ……はぁ……。


正直、女の子の次に、こいつが苦手だった。



こいつは常に自由に、誰にも気を遣わずに生きてる。

そういう生き方をできることが、そう生きることを許されてきたこいつが羨ましい。

……まぁ、男の情けない嫉妬ってやつなのか。


こいつもちょっとは、マネージャーに愛想よくしてくれ……和泉目当てで入った子まで俺の方に来て、もう面倒なんだよ。


そんなことを思いながら、和泉を見張りつつ部屋へ向かって歩く。

こいつを部屋まで送ったら、静香ちゃんの様子見に行こ……。


そう、思った時だった。



「それにしても、花染さん来てくれてよかったなぁ〜」

「ほんとほんと、やっぱり可愛い子がいたらモチベーション上がるわ」

「リナちゃんにやめてもらって逆によかったかもな」



洗濯場の方から、そんな会話が聞こえたのは。


< 270 / 507 >

この作品をシェア

pagetop