【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
驚いた。
だって、そんなふうに言ってくれた人は、今までリナちゃんだけだったから……。
「見てたらわかる。静香ちゃん凄い良い子っぽいし。最初は計算かなって思ったけど、まあ、この子になら騙されても良いかなって思うくらいには魅力的だね」
わたしの顔をまじまじと見て、にこりと微笑んだ佐倉先輩。
ええっと……騙されるとか聞こえたけど……一応、褒めてくれてるの、かな?
「……あ、あの、ありがとう、ございます……?」
なんだかはっきり理解できず、疑問系になってしまったわたしに、相変わらず先輩は笑っている。
「ふっ、ほんと面白いね、静香ちゃん」
「……?」
「ふふっ。ね、連絡先教えてよ。俺、静香ちゃんと仲良くなりたい」
嬉しかった。
友達が多い方ではないから、わたしなんかと仲良くしたいと言ってくれる、佐倉先輩の気持ちが。
でも……