【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


私も、こんな悩まずに「はいわかりました」って返事が出来たらいいんだけど……。

フリくらい別にいいじゃない派の私と、フリでも好きな人と以外付き合っちゃいけない派の私が両側から交互に囁いてくる。


ぐるぐる悩んでいると、いつのまにか朝になっていた。


昨日も少し体がダルかったけど……今日は昨日にも増して酷いな。

しっかりしなきゃと言い聞かせて、喝を入れるため頰をペチッと叩いた。


朝食の支度を済まし、そのまま洗濯場の方へと向かおうとした時だった。



「静香ちゃん……!」



名前を呼ばれて振り返ると、そこにいたのは……



「……ケン、くん」



気まずそうな顔をした、ケンくんと昨日話していた部員さんたち。



「ちょっと、いいかな……?」



一体なんだろう……?と思いながらも、とりあえず頷いて、ケンくんたちの方を向いた。





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