【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
とにかく今は、悩んでる暇はない。
私の目的はリナちゃんの代理……それだけは、忘れちゃだめだ。
洗濯、しなきゃ。
そう思って、ゆっくりと立ち上がった。ジャージの袖で、涙を拭う。
心の中でだけ、そっと呟いた。
和泉くん、ありがとうございます……。
それと——直接言えなくて、ごめんなさい。
このお礼は、いつかちゃんと伝えたいなと思いながら、洗濯場へと急いだ。