【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「待って、なに言ってんの?」
「……きっぱり嫌いって、言われちゃった……」
「……は?和泉、に?」
その質問に、一度だけ首を縦にふる。
「……ちょっと来なさい!!!!」
リナちゃんは私の手を掴んで、教室の外へ連れ出した。
* * * * *
「ここなら平気、絶対誰もこないから」
そう言って連れて来られたのは、なんとサッカー部の部室だった。
私はキョロキョロと辺りを見渡し、肩身の狭さに身を縮める。
「えっ、だ、大丈夫?部外者の私が入っても……」
「へーきへーき、ほら、ここ座って」
ほ、ほんとに平気、かな……?
ここは、サッカー部の場所であって、和泉くんの、テリトリーのようなところで……