【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
先生の言葉に、はっとする。
18時には帰るってことは、18時からは手伝えるかな……。
心配してくれる先生には申し訳ないけど、これ以上迷惑をかけたくなかった。
「は、はい。わかりました」
「……ちゃんと他の子に監視しててもらうわよ。これ以上無理するなら、お家の人に電話して迎えに来てもらわなきゃ」
私の考えがお見通しだったのか、先生はそう言ってにやりと不敵な笑みを浮かべた。
そ、それは困る……!
私は慌てて「安静にします!」と返事をして、先生に忠誠を誓った。
18時まで、保健室がわりの教室で眠らせてもらった。
先生が帰るのと一緒に、私も自分の部屋へと戻る。
その途中、食堂の方から騒がしい声がして、首を傾げる。
何かあったのかな……?
つま先を食堂の方に向けて、進行方向を変える。
近づくにつれ、騒がしい声がはっきりと聞こえてきた。