【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
自分の気持ちを、案外あっさりと認める事ができた。
というよりもきっと、静香さんのことを知った日から気づいてた。
俺なんか相手にしてもらえるわけないし、伝えるつもりなんてないけど、ただ好きでいたいと思った。
この人を、少しでも守れたらいいなって。
きっと、キャプテンも好きなんだろうなぁ……。
女の子に肩入れしてる姿なんて、初めて見るし……はぁ、お似合いだ……。
そんなことを思いながら、マネージャーたちと話している静香さんを見る。
「あ、謝らないでください……!あたしたちが全部悪かったんだし……花染先輩が倒れたのも……」
「これは完全に、私の自己管理不足です。情けないですけど……すぐに元気になって、また戻れるようにします……!」
笑顔でガッツポーズをした静香さんに、マネージャーたちは顔を赤くした。
……うん、とてもわかる。静香さんの笑顔は、きっと同性であっても見ほれてしまうだろうから。