【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
最後の夜
合宿6日目。
昨日の夜は……いろいろあったけど、なんとか円満に終わってよかった……。
昨日、食堂に行くと、佐倉先輩がマネージャーさんたちを怒っていた。
私が倒れて、穴を開けてしまった故の事態だ。
きちんと話して、謝って、佐倉先輩たちも許してくれた。
一件の後、マネージャーさんたちみんなで片付けをしてくれたそう。
就寝前、お見舞いに来てくれた健太くんが教えてくれた。
おかげさまでゆっくり休ませてもらって、体調は随分マシになった。
今日は、しっかり働こう……!
まだ身体は重いけど、心はとっても軽い。
マネージャーさんたちと打ち解けられたことが、すごく嬉しかったから。
起き上がろうとした時、扉がノックされた。
コンコンコン、という音に「はい」と返事を返すと、扉の向こうから健太くんの声が。
「あの、入ってもいいですか……?」
「どうぞ」
「し、失礼します……!」
ゆっくりと入ってきた健太くんは、私の前に座った。