【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「ありがとうございます」
「い、いえっ……」
和やかな空気が流れていたところに、新しい訪問者が。
ノックの後、ガチャリと扉が開き、マネージャーさんたちが数人入ってきた。
「失礼します……!」
「静香先輩、大丈夫ですか?」
みんな昨日食堂にいたマネージャーさんたちで、決して広くは無い部屋が人でいっぱいになる。
心配してくれている様子のマネージャーさんたちに、私は笑顔を向けた。
「はいっ。もう大丈夫です。心配してくださってありがとうございます」
皆さん、ほっとしたように表情が柔らかくなって、伝わってきた優しさに嬉しくなった。
「これ、あの、ゼリーを……」
マネージャーさんの1人が、コンビニの袋を手渡してくれる。
袋の中には、ゼリーやポクリスエットなど、風邪の時の必需品が入っていた。