【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜




「え、でも、静香先輩は安静に……」

「そうですよ!休んでください!」

「もう十分休ませてもらってるので、平気です!それに、夕飯は今日までなので、作らせてください!最終日の献立、考えてあるんです!」



言葉通り、実は最後の夕ご飯はすでに決まっていた。

せっかくの最終日。
たくさん頑張った部員さんたちに少しでも美味しいものを振る舞いたいと、予算内でできるちょっぴり豪華なメニューを考えたんだ。

健太くんは、「無理はしないでくださいね……」と、しぶしぶと言った様子で了承してくれる。



「じゃあ、あたしたちも手伝います……!」

「あたしも……!」



マネージャーさんたちが、次々とそう挙手してくれた。



「ふふっ、ありがとうございます」

「……っ」



……あれ?


私のほうを見ながら、なぜか固まるマネージャーさんたち。

笑顔を返したつもりだったんだけど……私、何か気に触ること言ってしまったかなっ……。

< 377 / 507 >

この作品をシェア

pagetop