【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
どうしよう……言い訳しても、聞いてもらえそうにない雰囲気……。

仕方ない……お言葉に甘えて、先に休ませてもらおうかな……。



「あははっ……みんな、ありがとうございます」



背中を押されるがまま、出口の方へ向かう。

明日は早く起きて、先に働こうっ……。


食堂から出て、ふぅ……と息を吐く。

体調はもう本当に平気だけれど、今日はいつも以上に体力の消耗が激しく感じた。

部屋に戻ろうと、歩き出した時、



「静香ちゃん」



背後から声をかけられ振り返る。



「佐倉先輩……」

「すごいね、マネージャーたちすっかり手なづけて。さすが」



一体どこから見ていたのか、笑顔の佐倉先輩が歩み寄ってくる。



「い、いえ……!みんなほんとにいい人たちばかりで、助かります」

「リナちゃんでも猛獣使いには慣れないって嘆いてたのに、さすがだよ」



も、猛獣使い?


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