【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「う、嘘……」
「これ、すっぴん……?」
「毛穴ひとつもない……嘘でしょ……」
「すっぴんでこの色気はおかしい……」
口々に何かを言っているマネージャーさんたちに、私の頭上にははてなマークが並んだ。
「す、スキンケアって何してますか?」
「どこの商品使ってます?」
「えっと……母が買って来てくれるものを……」
次々に飛んでくる質問に、困惑しながらも答える。
「やっぱりデパコスですか!?」
「いえ、多分薬局で売ってるものだと……あ、あとで確認してきます……!」
「どうしてこんなにお肌つるつるなんですか……羨ましいっ……」
お、お肌?つるつる……?
そんなこと思ったことないけど……。
不思議に思い、自分の頰を触ってみた。
いたって普通だと思うし、なんなら今年40歳のお母さんのお肌のほうが綺麗だと思う。