【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「すっぴんでこれだけキレイなら、メイクする必要ないですよね……」
「わ、私、キレイじゃないですよっ……」
どうしてそんなふうに褒めてくれるのかわからないけれど、私にふさわしくない言葉が飛んできて慌てて否定した。
すると、マネージャーさんたちが顔を真っ青にする。
「な、何言ってるんですか……!!」
「この美貌でそんなこと言ったら全国の女敵に回しますよ……!!」
え、ええっ……。
「で、でも、昔から顔が濃いとか言われるだけで……」
綺麗だなんて、言われたことは……。
「それ褒め言葉ですって……!」
力強くそう言ってくれたマネージャーさんに、首を傾げた。
「そ、そうなんですか……?」
「静香さん、女のファンもいるんですよ!セクシーで大人の女性って感じで、みんな憧れてるんです……!」
……う、嘘……。
初めて聞く話に、驚愕する。