【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「静香さんの恋人って、超幸せものだと思います……」
「あたしも男だったら立候補したかった……」
こ、恋人……?
突然の話題に驚いて、再び首をかしげる。
それに、まるで私に恋人がいる前提のように話しているのも不思議だった。
「恋人はいませんよ……?」
どうして恋人がいると思っているんだろう?いるなんて、話したかな……?
「「「……え?」」」
口を揃えて、その一言をこぼしたマネージャーさんたち。
「そ、そうなんですか……?」
「ひ、ひとりも……?」
え、えっと、恋人は本来ひとりのはずじゃ……。
「い、いませんよ」
はっきりとそう告げると、マネージャーさんたちはまたこそこそと内緒話を始めた。
「すみません……失礼なことを聞くんですけど……」
「愛人とかの噂も、嘘ですよね……?」
や、やっぱりその噂も、知られてたんだ……。