【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
でも……どうやって接点を作ればいい?
友達になるのもなんか変だし、何よりも今更どの面をさげて言えばいい。
俺の態度は自分で振り返っても酷いものだったし、俺が静香先輩なら今更何言ってるんだよって思う。
過去の自分の態度を思い返して、ため息がこぼれた。
「静香先輩、めっちゃいい人だったね……」
後ろの席から、マネージャーたちの声が聞こえた。
「あたし、ファンクラブ入ろうかな……」
「噂と違いすぎたし、なんかめちゃくちゃ可愛かった……」
……。
昨日から思ってたけど、マネージャーたちを手懐けられる人がいるなんて思っていなかった。
さすがというか、俺以外にもみんな驚いていたし……。
リナ先輩が何を言っても聞き耳すら立てなかったのに、たった数日でファンにまでさせるなんて。