【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「早くリナちゃんに会いたいなぁ……」
『何彼女みたいなこと言ってんのよ可愛いわね』
か、彼女?可愛いって……。
唐突に不思議なことを言うリナちゃんに、頭上にはてなマークが浮かんだ。
『あ、そうだ!佐倉先輩とは進展あった?』
「へっ……」
またしても唐突に、そんなことを聞いてくるリナちゃんに変な声が出る。
『何よその反応は』
「え……あ、あの……」
『何かあったのね……!?ちょっと、明後日の始業式の時詳しく聞かせなさいよ!』
「あ……う、うん」
気圧され、とっさにそう返事を返す。
『それじゃあ、疲れただろうからもう寝なさい。また明後日、学校でね』
そう言って、『バイバイ』と電話を切ったリナちゃん。
もう寝なさいって、まだ7時だよ。
でも、リナちゃんは気を使ってくれたんだと思う。