【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

先ほどよりも驚いているリナちゃんに、「優しかったよ?」と答える。

するとリナちゃんは、少しの間黙り込んだ後、意味深に口角の端を釣り上げた。



「……ふふっ、なるほどねぇ」



な、なんだろう……

リナちゃんが、すっごく悪い顔になってる……!



「うん、ありね。断然そっちの方がいいわ」



ぶつぶつと呟きながら、「ふふふふふ」と不気味すぎる笑みを零すリナちゃん。



「いい、静香」

「?」

「失恋には、新しい恋よ」

「……え?」



新しい……恋?



「佐倉先輩いいじゃない!和泉なんかクソ生意気よりよっぽど大人だし、お似合いよ〜!あの人若干捻くれてるけど、静香に対して優しかったなら脈あり確定ね!!あたし的には佐倉先輩の方がかっこいいと思うし!」



次々とリナちゃんの口から飛び出す言葉に、理解が追いつかない。

< 44 / 507 >

この作品をシェア

pagetop