【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「え……あれ3年の佐倉先輩じゃない……!?」
「どうして1年の教室にいるの……!?」
「誰か知り合い……!?」
……キャプテン?
騒ぎの方を見ると、そこには佐倉先輩の姿が。
キョロキョロと教室を見渡した先輩は、俺を視界に入れるなりこっちへ歩み寄ってきた。
俺に用事……?
わざわざなんだと、身構えてしまう。
合宿中のこともあり、この人への警戒心はマックスだ。
「2日ぶり、和泉」
胡散臭い笑顔を向けられ、俺もキャプテンに向き合う。
「どーも……で、何ですか?」
「そんな睨まないでよ。どうせ自主練でもするつもりかなと思って」
「……」
……一体何を言いにきたんだこの人は。
全部見透かされているようで、居心地が悪い。