【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「すみません、嫌でしたよね」
「い、嫌なわけじゃないです……!び、びっくりして……」
嫌だなんて、そんなことあるはずないっ……。
でも……
こんな近くにいたら……心臓の音が聞こえてしまう……っ。
きっと今も、情けないくらい顔が赤くなっているだろう。
見られたくなくて、下を向く。
「さっき……何話してたのか、聞いてもいいですか?」
さっきって、佐倉先輩とってことかな……?
「え、えっと……」
話していいことじゃない気がして、言葉が詰まる。
告白されましたなんて告げるのは……佐倉先輩に失礼な気が……。
「キャプテンと付き合うっていうのは本当ですか?」
……え?
事実とは異なる質問に、慌てて首を横に振った。