【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
親友と先輩と
7月も半ばに入ると、朝の日差しが眩い。
少し汗ばんでいる体を冷ますように手で扇ぎ、作業を続けた。
「大きく育ってねっ……」
花壇の花、ひとつひとつにお水をあげて、朝の日課を熟す。
まっすぐ、太陽を向いて咲くひまわりがたくましくて、自然と頰が緩んだ。
今年も無事に咲いてくれて、よかった……。
花壇のある場所は、校舎の陰になる場所だった。
ひまわりにとって、あまり良くない環境で、試行錯誤し出来るだけ太陽が当たりやすい場所を選んだんだ。
ひまわり、大好きな花。
堂々としていて、見ているだけで元気が出る。
「……よし、終わり」
全ての花の水遣りを終え、道具を直そうと、立ち上がった時だった。