【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
夢見心地
和泉くんと、両想い……。
和泉くんが……私の、恋人に……。
信じられないような展開に、まだ夢見心地な気分だった。
放心状態の私を、和泉くんがじっと見つめていることに気づく。
私は顔を隠すように、慌てて両手で覆った。
「み、見ないでくださいっ……。泣きすぎて、いつも以上に変な顔になってるので……」
こんなブサイクな顔、和泉くんに見られたくないっ……。
「いつも以上って何ですか。静香先輩が変な顔だった時なんてありませんよ」
くすっと笑いながら、私の髪をそっと耳にかけてくれた和泉くん。
露わになった私の顔を見ながら、頰を緩めた。
「それに……俺のためにこんなふうになってる静香先輩、どんな顔してても可愛いです」
……〜っ。
「か、可愛いはずがありません……」
「先輩はいつも、自己評価が低いですね」