【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「あー、疲れたぁ……!」
「マジ朝からランニングとかキツすぎ……」
男子生徒の声が聞こえ、ビクッと肩を震わせる。
ぶ、部活の人たちかな……?
どうやら水道を使いに来たらしい。鉢合わないように、彼らが去るのを待とうと、私はひまわりを見つめながらぼうっとしていた。
そういえば、なんの部活だろう?
バスケ部がいつも朝練をしているのは知っているけど……わざわざ体育館からここまで歩いて来ないよね……?
不思議に思って、ちらりと水道の方を見る。
ーーーえ?
「……っ」
私が視線を向けた先に、和泉くんがいた。
そしてなぜか、和泉くんはこっちを見ていたらしく、視線がぶつかったのだ。