【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

……って、私はまた……。

全然ダメだなぁと反省しながら、近くにいるというだけでドキドキと騒いでしまう心臓を抑えた。



* * * * *



教室に戻って、一昨日から読み始めている本を開く。


……そういえば、サッカー部が朝練してたってことは、リナちゃん今日は早く来るかな……?

そう思ったけれど、リナちゃんはいつも来る時間になっても登校してくることはなく、パタリと読んでいた本を閉じる。


もしかして、風邪かな……?

心配……リナちゃんがいないと、寂しいなぁ……。


そんなことを思っていると、前の扉から入ってきたリナちゃんの姿が目に入る。

あっ!



「リナちゃん、おはようっ」

「あら、今日は読書に没頭してないの?」

「う、うん……」

「そう、おはよう」



……あれ?

リナちゃん、なんだか元気がない……?

< 50 / 507 >

この作品をシェア

pagetop