【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
何はともあれ、リナちゃんがついてきてくれるなんて頼もしいことこの上ない。
正直、三年生の階にいくのは怖かったから……
「ありがとうっ」
私に続いて席を立ったリナちゃんと一緒に、上の階へと向かった。
し、視線を感じる……。
私たちの高校は、上履きの色が学年ごとに違う。
2年の私たちが3年生の階にいるのが不思議なのか、視線が私たちに集まっていた。
「なぁなぁ、あれ2年の静香ちゃんじゃない?」
「だよな!やばい、超セクシーボディじゃん!」
「お前それしか目に入んねーのかよ、まあでもあの体つきはやばい」
「後輩とは思えねーよな……誰か掴まえて来いよー」
な、なにか、ぶつぶつ名前呼ばれてる気がする……?
気のせい、かな。
とにかく、早く先輩にハンカチを返して、教室に戻りたいっ……。