【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
和泉くんはサッカー部の一年生で、女の子にも人気のある人。


サッカーも上手くて、クールでかっこいいと、女の子たちが話しているのを聞いたことがある。

私なんか、きっと相手にされない。


それに、



「見てるだけで胸がいっぱいなのに……直接話したりしたら……私、どうにかなっちゃう……」



こうして遠くから見ているだけで、精一杯。


恥ずかしくて、隠すように両手で顔を覆った。



「…………あんたがこんなピュアっ子だって知ったら、校内の男が放っておかないでしょうね」

「……え?」

「あー、焦れったい!ね、放課後見に来なよ、サッカー部!」

「で、出来ないよそんなこと……」



私の返事に、リナちゃんは「ちぇっ」と残念そうに唇を尖らせた。

ちなみに、リナちゃんは和泉くんと知り合い。


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