【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
合宿……サッカー部……一週間……
「……今からでも断る?」
私の絶望的な心情を察してくれたのか、リナちゃんが頰に冷や汗を浮かべている。
……確かに、私は行かないほうが……
和泉くんも、一週間も私がいたら迷惑だろうし……
ただでさえ、嫌われてるんだから。
……。
いや、ダメだ。
「だ、大丈夫……!頑張、る……!」
慌てて笑顔を作って、大丈夫だとアピールするように小さくガッツポーズをした。
一度、すると言ったんだもの……それに、リナちゃんも佐倉先輩も困っていたし、今更辞めますなんて言って、もっと拗れさせたりしたら本末転倒だ。
和泉くんには、極力視界に入らないよう頑張って……なんとか一週間を乗り切ってみせようっ……。