【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「王子様のお迎えね」
「王子様……?」
「何もないわ。行ってらっしゃい」
「うんっ、バイバイリナちゃん……!」
リナちゃんとお別れして、佐倉先輩の元へ急いだ。
「行こうか?」
「は、はい……!」
視聴覚室を借りて説明会をするらしく、二人で教室までの道を歩く。
今までまじまじと見たことが無かったから気づかなかったけれど、佐倉先輩、背高い、なぁ……。
私が160センチで、20センチ差くらいありそうだから、180あるかないか、かな……?
必然的にスタイルもいい先輩は、高校生離れしたルックスをしていた。
「静香ちゃん、成績表返ってきた?」
そんなことをぼうっと考えていたら、突然話しかけられて、びっくりしてしまう。