【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
……?
「そうだ、言ってなかったけど……合宿中は、極力俺と一緒にいてね」
「え?」
どうして、だろう……?
言葉の真意がわからず、首を傾げる。
「リナちゃんから頼まれてるんだ。『野郎どもから静香を守ってくださいー!』って」
り、リナちゃん、そんなこと言ってくれてたんだ……。
容易にその姿の想像がついてしまって、思わず笑ってしまった。
「ふふっ、そんなこと言ってたんですね」
本当に、リナちゃんには守られてばっかりだなぁ……。
「まぁ、言われなくてもそのつもりだったけど」
「……え?」
今、佐倉先輩、なんて言ったの……?
「さ、着いた。静香ちゃんは、後ろの方座ってていいよ」
聞き返そうとしたけれど、どうやらもう視聴覚室に到着してしまったらしい。