【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


独り言みたいにだったし、いっか……。


特に気にすることはなく、私は言われた通り、後ろの扉から中に入ることにした。

佐倉先輩は説明と進行をするから、前に立たないといけないらしい。


もう、和泉くんいるの、かな……?


……って、和泉くんのことばっかり考えるのやめようって、何回言い聞かせればわかるの私っ……。

でも、考えずにはいられない。

そんな私はきっと、まだまだ未練でいっぱいなんだろう。



ゆっくりと扉を開けて、中に入る。

すでに殆どの人たちが集まっていたらしく、席はほぼ満席だった。


空いている席をひとつだけ見つけて、そして、同時に気付いてしまう。


……っ、和泉くんの、隣の席……。


< 76 / 507 >

この作品をシェア

pagetop