【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
独り言みたいにだったし、いっか……。
特に気にすることはなく、私は言われた通り、後ろの扉から中に入ることにした。
佐倉先輩は説明と進行をするから、前に立たないといけないらしい。
もう、和泉くんいるの、かな……?
……って、和泉くんのことばっかり考えるのやめようって、何回言い聞かせればわかるの私っ……。
でも、考えずにはいられない。
そんな私はきっと、まだまだ未練でいっぱいなんだろう。
ゆっくりと扉を開けて、中に入る。
すでに殆どの人たちが集まっていたらしく、席はほぼ満席だった。
空いている席をひとつだけ見つけて、そして、同時に気付いてしまう。
……っ、和泉くんの、隣の席……。