嘘の続きは
念入りな田所さんのメイクが終わり準備されていたウィッグをして、これまた用意してあった真紀の私服に着替えた自分を鏡で見ると、自分でも真紀に似ていると思った。
これならば両親でさえ間違えるかもしれない。
あのオトコはメイク中もずっとこの部屋にいて、時々かかってくる電話を受ける以外は何も言わず壁にもたれてこちらを見ていた。
時々、鏡越しにあのオトコと視線が合うこともあり気まずい以外の何モノでもない。
そんな風に見張るようなことをしなくても私は逃げ出したりはしないのに。
信用されていないことに心底がっかりする。
支度が終わって30分程田所さんと雑談をして待っていると、真紀の現在のマネージャーをしている鈴木さんが控え室に戻ってきた。
「え、あれ。もしかして朋花さん?本当に?」
ここ3年程真紀のチーフマネージャーをしている彼でさえも真紀にそっくりな私の姿を見て驚いたらしい。
「すごいですね。さすが真紀さんの妹さんだ」
彼は私の頭の先から足の先までまじまじと見ると、ほわぁっと変な声を出した。
「いえいえ、田所さんの腕ですよ」
口角をきゅっと持ち上げて真紀に似せた笑顔を作ってみせると
「マジですか。まいった、笑顔もそっくりだ」
両手を上げてばんざいのポーズを取った。
鈴木さん、口が半分開いてるんだけど。
田所さんと二人で苦笑してしまった。
私、そのために来ましたからね。
「これならば絶対バレないって気がしてきました。よろしくお願いします朋花さん」
私は無言で頷いた。
これならば両親でさえ間違えるかもしれない。
あのオトコはメイク中もずっとこの部屋にいて、時々かかってくる電話を受ける以外は何も言わず壁にもたれてこちらを見ていた。
時々、鏡越しにあのオトコと視線が合うこともあり気まずい以外の何モノでもない。
そんな風に見張るようなことをしなくても私は逃げ出したりはしないのに。
信用されていないことに心底がっかりする。
支度が終わって30分程田所さんと雑談をして待っていると、真紀の現在のマネージャーをしている鈴木さんが控え室に戻ってきた。
「え、あれ。もしかして朋花さん?本当に?」
ここ3年程真紀のチーフマネージャーをしている彼でさえも真紀にそっくりな私の姿を見て驚いたらしい。
「すごいですね。さすが真紀さんの妹さんだ」
彼は私の頭の先から足の先までまじまじと見ると、ほわぁっと変な声を出した。
「いえいえ、田所さんの腕ですよ」
口角をきゅっと持ち上げて真紀に似せた笑顔を作ってみせると
「マジですか。まいった、笑顔もそっくりだ」
両手を上げてばんざいのポーズを取った。
鈴木さん、口が半分開いてるんだけど。
田所さんと二人で苦笑してしまった。
私、そのために来ましたからね。
「これならば絶対バレないって気がしてきました。よろしくお願いします朋花さん」
私は無言で頷いた。