嘘の続きは
Whatever

Whatever

***



翌朝目覚めて驚いた。
真島さんの部屋にいたのは夢ではなかった。





目覚めたら目の前に彼ののどぼとけがあって、私は彼の胸にもたれるように腕枕で寝ている。あのベッドの肌触りがいいのは当たり前だった。
だって本物のシルクのシーツだったんだもの。

シルクのシーツって初めて。

これどうやって洗濯するんだろう。
洗濯機に突っ込んでがらがら回す・・・ってのはダメだよね。
しわしわになりそう。毎日クリーニングもお金がかかりすぎない?

そんなことを考えてしまうのはこれが現実だとは思えないからなんだけど・・・。

昨夜の出来事が夢でないとしたらーーー目の前の男性は真島さんで。
私も彼も何も身につけていない。

現実?
それともやっぱりまだ夢を見てる?

視線を窓の方に向けると、遮光カーテンの隙間からうっすらと光が漏れているのが見える。

まだ早朝のはずだろうけど、一体今、何時だろう。

私はお休みでも彼の仕事はどうなっているのか。

「ん、」
ごそごそと私が動いたことで彼も目が覚めたらしい。

私の背中に回る腕に力が入り、抱き寄せられる。

「まだ早い。もうちょっと寝てろ」

「ね、真島さん、お仕事は?」

「後で事務所に顔を出すだけ。時間は十分あるからもうちょっと寝るぞ」

確かに深夜まで起きていた私達には睡眠時間が足りてない。
それもこれも彼と深く結びついていたからなんだけど。
うんと頷く前に額に唇が落とされて、思わず私も彼の胸元に頬を摺り寄せる。

頬に伝わってくるのは彼の体温と彼の香り。
情事の後のけだるさに今はまだ甘えていても許されるはず。

彼に抱え込まれて目を閉じるとすぐに眠りの波にのまれていった。
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