嘘の続きは
「今度の週末に秋野のご両親に挨拶に行くから。うちの親も一緒だ。ああ、結婚式の希望は聞いてやるけど入籍の日にちは挨拶した次の大安で決まりだから。すぐにでもここに引っ越してきて欲しいけど、家具や食器がないと不便だよな。
よし、早く買いに行こう」

流れるように次々と言われて私は目が点になる。思わず流れていた涙が止まるほど。
今、もしかして入籍とか結婚式とか言ってた?

「ええーっと、真島さん。念のためお聞きしますけど」

何?と真島さんが不思議そうな顔をした。

「私、プロポーズとかされましたっけ?」

首をかしげる私の問いかけに真島さんの動きが止まった。

「そうか」と小さく彼の口が動いた。

ええ、そうですとも。

「自分の中で決定事項だったから言ってないかもしれない」

かもではなくあなたは言ってませんし言われてません。

私が大きく頷いてみせると真島さんは照れくさそうに頭の後ろに手をやった。

「すまない。一人で暴走してた」

うん、そうですよね。

「それと、全裸でプロポーズも却下です」

今絶対に何か言おうとしてたよね、私は涙がにじんだ顔で微笑んで見せると真島さんは気まずそうに口を閉じた。








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