嘘の続きは
「ところで、あなたたちの結婚式はどうなってるの」

姉の指摘に思わず口ごもった。

「・・・何にも決まってないよ。私別に式とかしなくてもいいって思ってるし。プロポーズも遮っちゃったまんまだし」

「えええ?」
「は?」
姉夫婦の口から同時に飛び出した驚きの声にびくっとしてしまう。

「どういうことなの、朋花っ」
姉が大声を出した。こ、こわっ。

「あなたどうしてプロポーズもされてないのに籍なんか入れちゃってるわけ?」

「どうもこうも・・・もう新居のマンション買ってあったし、両方の親が4人共揃っている前で婚姻届差し出されてね。こことここに記入捺印って言われて。証人欄は清美社長となぜかうちの常務のサインがしてあったし間違えちゃいけないってみんなで確認しながら何となく流れで記入しちゃって?」

「記入しちゃってって・・・思いっきり真島さんに流されてんじゃないのよ」

んーああ、そうだね、確かに。

「でも、真島さんがそれっぽいことを言おうとしたけど、止めたの私だから」

「どういうこと」

さすがにプロポーズされそうになったのが全裸だったから止めたとは姉夫婦には言えない。特にお義兄さんには。

恥ずかしすぎるんですけど。

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