嘘の続きは
「姉は何て?」

「朋花がスカウトを受けようとしてると。俺のいない間に詳しい話を聞き条件次第では契約するんじゃないかって」

「そんな突拍子もない話、なんで信じちゃったんですか・・・。大体私が女優なんて無理だし。ああそっか、さっきの人仕込みなんだ」

納得しつつ全くあり得ない話にこの人はなんでこのタイミングで私がそんな事すると思ってしまったんだろうか。

真島さんは「いや仕込みじゃないと思うんだが・・・」と首をひねっている。

その時、店のドアが内側から開きホールスタッフらしき女性がちょこんと顔を出し困ったような笑顔で声をかけてくれる。

「あの、ご予約の方ですか?よろしければ中に・・・」

あああ、そうですよね。お店のドアの前で。何やってるんだか。

チラリと真島さんの顔を見ると、彼は大きく頷いた。

「真紀たちの奢りだ。せっかくだから頂こう」

それもそうだと彼にエスコートされて私は店内に入った。


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