嘘の続きは
***

過去ーーー
大学を卒業したタイミングで私は子供の頃から恋していた真紀のマネージャーの真島さんに告白をした。

もう子供じゃないってことをわかって欲しかったのだけど、真島というこのオトコはそう簡単な相手じゃなかった。



真島さんは彼が25才の時に15才の真紀のマネージャーになった。

学生結婚をしたという奥さんと真島さんは彼が真紀の担当マネージャーになった翌年にはもう離婚していた。

二人の間に子供はなくその時奥さんにはもう好きな人がいたらしいと聞いたけれど、当時私はまだ小学校を卒業したばかりでそれ以上詳しい事情など知る由もない。

ただ両親が『真紀との仕事のせいで離婚することになったのだとしたら申し訳がない』と話していたのを小耳に挟んだだけだ。


事務所の社長にスカウトされて始まった真紀の芸能生活。

無名ながらも高校生スポーツの全国大会のイメージガールに選ばれ一躍脚光を浴びると、それからは次々と仕事が決まった。
その後有名アーティストのMVに出演し脚光を浴びるとそこからドラマ、映画と女優として活躍の場を広げていったのだ。

真紀はまさに真島さんと二人三脚で芸能生活を歩んでいった。

それから3年後、私が中学2年生の時だった。
真紀に誘われ彼女の出演する映画の撮影を見に行くと、その映画のプロデューサーに声をかけられたのだ。

「姉妹役で映画に出てみない?」
プロデューサーのその一言であっという間にスタッフたちが盛り上がり監督も脚本を変えようかと言い出す始末で、なぜか当事者の私と真紀とが何も口を出せないという状況になっていた。

それはたまたま真島さんが席を外していた間のことで、真島さんの代わりに真紀に付いてきていた若いサブマネージャーはプロデューサーを止めることができず、慌てて真島さんに連絡する始末だった。
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