嘘の続きは
真島さんから大学入学祝いにもらった一粒パールのペンダントは毎日つけられるデザインでとても気に入っていた。パールの根元に小さなダイヤモンドが付いていて揺れるとキラキラ光るのだ。
そして、私の中で真島さんの存在はどんどん大きくなり友達からは”初恋こじらせ少女”とバカにされながらも彼氏を作ることなく大学を卒業することになった。
私は大学を卒業したら告白しようと決めていた。
彼は再婚していなかったし、私のことを成人して2年もたっている立派な大人だとわかって欲しかったのだ。
卒論の提出も済みひと息ついたころ、真紀の連続ドラマの楽屋を訪ねると休憩中の真紀とサブマネージャーにメイクさん、それといつものスーツ姿の真島さんがいた。
「朋花、もうすぐ卒業だね。お祝いの食事会は私も行けると思うから個室にしてってお父さんに言っておいて」
「うん。多分もう手配済みだよ」
「そう、よかった」
真紀はニコリとほほ笑んだ。
私たち家族が昔からお祝い事で行くお店があるのだけど、人気があるから早めに予約しないと個室を取ることができない。だから早めに予約はすませているはずだ。
「あー、私もホントの大学生活って味わってみたかったなぁ」
真紀は大きめのソファーにもたれて長い両手足を伸ばしながら天を仰いだ。
「真紀の大学生活はドラマの中でだけだったからな」
真島さんの真紀を優しく慰めるような言い方に少しだけ胸がチクッとする。
「そうよ、高校生活だってあんまり味わってない。欠席ばっかりでようよう卒業できたって感じだし」
「いや、よく頑張ったよな。映画撮影中に期末テストとかってこともあったし」
「そうよ。台本と教科書の暗記で気が変になりそうだっただからね」
二人は私そっちのけで思い出話に花を咲かせはじめた。
この二人には他の人が入ることのできない絆があるのだ。
こんな時は私だけでなくいつもサブマネージャーやメイクさんも黙って二人を見守っていた。
そして、私の中で真島さんの存在はどんどん大きくなり友達からは”初恋こじらせ少女”とバカにされながらも彼氏を作ることなく大学を卒業することになった。
私は大学を卒業したら告白しようと決めていた。
彼は再婚していなかったし、私のことを成人して2年もたっている立派な大人だとわかって欲しかったのだ。
卒論の提出も済みひと息ついたころ、真紀の連続ドラマの楽屋を訪ねると休憩中の真紀とサブマネージャーにメイクさん、それといつものスーツ姿の真島さんがいた。
「朋花、もうすぐ卒業だね。お祝いの食事会は私も行けると思うから個室にしてってお父さんに言っておいて」
「うん。多分もう手配済みだよ」
「そう、よかった」
真紀はニコリとほほ笑んだ。
私たち家族が昔からお祝い事で行くお店があるのだけど、人気があるから早めに予約しないと個室を取ることができない。だから早めに予約はすませているはずだ。
「あー、私もホントの大学生活って味わってみたかったなぁ」
真紀は大きめのソファーにもたれて長い両手足を伸ばしながら天を仰いだ。
「真紀の大学生活はドラマの中でだけだったからな」
真島さんの真紀を優しく慰めるような言い方に少しだけ胸がチクッとする。
「そうよ、高校生活だってあんまり味わってない。欠席ばっかりでようよう卒業できたって感じだし」
「いや、よく頑張ったよな。映画撮影中に期末テストとかってこともあったし」
「そうよ。台本と教科書の暗記で気が変になりそうだっただからね」
二人は私そっちのけで思い出話に花を咲かせはじめた。
この二人には他の人が入ることのできない絆があるのだ。
こんな時は私だけでなくいつもサブマネージャーやメイクさんも黙って二人を見守っていた。