嘘の続きは
コンコンとノックの音がして「秋野さん、お願いします」とドラマスタッフが顔を出し真紀に出番の声がかかった。
「はーい」
真紀は元気に返事をして立ち上がる。
「たまには朋花もゆっくりしていって。差し入れでmoderianaのチーズスフレがあるから真島さんと一緒に食べなさいよ。朋花これ好きだったでしょ」
じゃあね、と真紀がサブマネージャーとメイクさんを連れて楽屋を出て行き、広い楽屋に真島さんと二人で残された。
こうして二人きりになることは最近では珍しい。
ドキドキと胸が高鳴ってくる私には気が付かない様子の真島さんが優しく声をかけてきた。
「朋花ちゃん、卒業式はもう終わったの?」
「いえ、まだ・・・来週なんです」
「そうか。朋花ちゃんももう社会人になるのかぁーー」
真島さんは遠くを見るように視線を持ち上げた。まるで私の子供時代が見えるとでもいうように。
私、もう子供じゃないんですよ。
「あの、真島さん」
私は思い切って声を出した。
このタイミングを逃したらもう告白できないかもしれない。
うん?と私を見た真島さんにグッと詰め寄った。
「私、もう子供じゃないんです」
これだけは言っておかないと。もう子供じゃないから私のことを女として見て欲しい。
「ずっと真島さんのことが好きでした」
一気に思いの丈をぶつけると、えっ、と小さな声が彼の口から洩れる。
「私を真島さんのそばに置いてくれませんか?」
そのまま彼のスーツの裾に手を伸ばそうとすると、顔を背けて素早くぐいっと押し戻されてしまった。
真島さんの表情は見えない。
え・・・これって拒絶されてる?
顔を上げて真島さんの顔を見ようと思ったその時、楽屋のドアが大きくノックされた。
「はーい」
真紀は元気に返事をして立ち上がる。
「たまには朋花もゆっくりしていって。差し入れでmoderianaのチーズスフレがあるから真島さんと一緒に食べなさいよ。朋花これ好きだったでしょ」
じゃあね、と真紀がサブマネージャーとメイクさんを連れて楽屋を出て行き、広い楽屋に真島さんと二人で残された。
こうして二人きりになることは最近では珍しい。
ドキドキと胸が高鳴ってくる私には気が付かない様子の真島さんが優しく声をかけてきた。
「朋花ちゃん、卒業式はもう終わったの?」
「いえ、まだ・・・来週なんです」
「そうか。朋花ちゃんももう社会人になるのかぁーー」
真島さんは遠くを見るように視線を持ち上げた。まるで私の子供時代が見えるとでもいうように。
私、もう子供じゃないんですよ。
「あの、真島さん」
私は思い切って声を出した。
このタイミングを逃したらもう告白できないかもしれない。
うん?と私を見た真島さんにグッと詰め寄った。
「私、もう子供じゃないんです」
これだけは言っておかないと。もう子供じゃないから私のことを女として見て欲しい。
「ずっと真島さんのことが好きでした」
一気に思いの丈をぶつけると、えっ、と小さな声が彼の口から洩れる。
「私を真島さんのそばに置いてくれませんか?」
そのまま彼のスーツの裾に手を伸ばそうとすると、顔を背けて素早くぐいっと押し戻されてしまった。
真島さんの表情は見えない。
え・・・これって拒絶されてる?
顔を上げて真島さんの顔を見ようと思ったその時、楽屋のドアが大きくノックされた。