嘘の続きは
ふふ・・・バッカみたい。

どうして受け入れてもらえるだなんて思っていたんだろう。
自分自身の甘さに吐き気がする。

例え受け入れてもらえなくても真島さんなら優しく断ってくれるのではないかと思っていた自分を呪ってやりたい。

優しく断るどころか諭すでもなく、一方的に無視されたような強い拒絶だった。

そんなに嫌われていたとは思わなかった。
私の世話をしていたのは所属女優の家族だったからにすぎないのに、親切そうに接してくれていたのを勘違いしていたのは私がばかだったからだ。

嗚咽が漏れる。
涙が次々にあふれ出し止まらない。

偶然見つけた高層ビルの間の隙間の小さな公園でひとしきり涙を流したらもう夕暮れが過ぎていた。
既に陽は落ちかけていて西の空にはオレンジ色が少し残ってはいるものの頭上の空は濃い群青になっていて星も瞬きはじめている。


何してんだろ、私。
お腹の底から心も体も冷え冷えとする。

「---帰ろ」

心の中で声を出したつもりが声になって出ていた。

そのことに驚きながらもとりあえずここがどこなのか、現在地を確認するためにスマホを取り出した。

スマホには真紀から数分前に着信とメールが入っていた。

『今日は撮影見るんじゃなかったの?大好物のケーキも食べずに帰るなんて朋花らしくない。どうしたの?』

撮影の合間に連絡をしてくれたらしい。
真紀は当然私と一緒にいた真島さんに事情を聴いたと思うけれど、あの人は一体何と答えたんだろう。

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