嘘の続きは
手際よく片付けがされ、割れた花瓶に入っていた花でさえもう違う花瓶に入れられている。
今度は倒れにくい重心の低い花器になっていることに驚きよりも呆れる。

マネージャーというよりも執事？

いや、このオトコは真紀の担当を外れて久しい。その上、今はプロダクションの専務になっている。
なのに真紀の部屋の物の在りかまで把握しているとは。

兄でもなく、父親ではない、ただのマネージャーでもない二人の関係は本当は何なのだろう。

そういえば二人の間に恋愛感情があるともないとも聞いたことはなかった。
何となく聞けなかった。
認められれば傷つくし・・・否定されても納得できなかっただろうし。

事務所が公認したという真紀と西隼人との恋愛はこのオトコ個人も公認しているはずだけど、本心から納得しているんだろうか。

女優の仕事はやめないが、大事な真紀のプライベートの全てを他の男にを取られてしまってもこのオトコは本当に平気なんだろうか。


・・・そんな事、今の私には関係のないどうでもいい話だったっけ。

私はただの影武者。
このオトコの大事な女の影武者。

私は姉の幸せのために自分に与えられた仕事をしっかりこなすだけ。
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