嘘の続きは
胸の痛みを堪えて「お世話になりました」ともう一度頭を下げた。
「---真紀は引退するわけでも事務所を移籍するわけでもない。これからも付き合いはあるはずだが?」
てっきり、オトコが頷いて終わりだと思っていたのに、ムッとしたような機嫌の悪そうな低い声が返ってきて驚いてしまう。
今まで影武者になってから何度も行動を共にしていたのだけれど、会話らしいものはほとんどしてこなかった。
したといえば最初の時くらいだろうか。「何か困っていることはないか?」だったかな。
お礼を言ったのにどうして不機嫌になるんだか。
チラリと視線を送ると、やはりあのオトコは不機嫌そうな顔をして壁にもたれている。そしてどういうわけか私を睨んでいる気がする。
「もちろん、移籍も引退も考えてないけど区切りになるからお礼を言っただけなのに真島さんはなに怒ってるのよ」
真紀がすぐに反論してくれた。
「いや、怒ってるわけじゃないけど」
そう言ったきり無表情に戻り、それから送迎車に乗ってもあのオトコが口を開くことはなかった。
何だというんだ。
「---真紀は引退するわけでも事務所を移籍するわけでもない。これからも付き合いはあるはずだが?」
てっきり、オトコが頷いて終わりだと思っていたのに、ムッとしたような機嫌の悪そうな低い声が返ってきて驚いてしまう。
今まで影武者になってから何度も行動を共にしていたのだけれど、会話らしいものはほとんどしてこなかった。
したといえば最初の時くらいだろうか。「何か困っていることはないか?」だったかな。
お礼を言ったのにどうして不機嫌になるんだか。
チラリと視線を送ると、やはりあのオトコは不機嫌そうな顔をして壁にもたれている。そしてどういうわけか私を睨んでいる気がする。
「もちろん、移籍も引退も考えてないけど区切りになるからお礼を言っただけなのに真島さんはなに怒ってるのよ」
真紀がすぐに反論してくれた。
「いや、怒ってるわけじゃないけど」
そう言ったきり無表情に戻り、それから送迎車に乗ってもあのオトコが口を開くことはなかった。
何だというんだ。