嘘の続きは
その時のことを思い出して私がキツい目をすると、真紀は笑みを引っ込めて真剣な顔をした。

「今回は朋花のことじゃなくて」
真紀が言葉を切った。

「わたしね、今、西隼人さんが好きなの」
本気で、と付け加えてきて驚きで怒りが引っ込んだ。

今、真紀は本気で、と言った？
しかも相手は超有名俳優の”西隼人”

「まさか本気なの？」

「そう、本気。で、これを最後の恋にしたいと思ってる」

真紀の目は真っ直ぐ私を見つめていた。

曇りがない澄んだ瞳。

本気の恋をした、と真紀の瞳が言っている。

そう、真紀は本気の恋をしたのか・・・・。カサカサしている私の心にその事実がじわりと染み入ってくる。

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