嘘の続きは
「朋花、そんな事誰も言ってないだろ」
真島さんが興奮する私の腕をつかもうと右腕を伸ばしてくるのが見え、身体をよじらせ後ろに下がった。
「私のことに口出しするのを止めて。真紀はもう地位を確立しているし、家族に何かあったとしてもたいしたダメージにはならない。そうでしょ」
いつだってそうだ。
どうしてこのオトコは真紀のことになると、周りが見えなくなるのだろう。
そんなに真紀のことが大事なら自分が結婚してずっと守ってやればよかったじゃないか。
「丸山シェフの試食会に来ただけで専務さんに叱られるとは思いませんでした。怪しげなパーティーならともかく。あれはうちの会社が企画段階から絡んでいるものなので業務の一環と言ってもいいほどですけど」
息継ぎもせず一気にまくし立ててやった。
正確には仕事が絡んでいるのは松下君だけで、その松下君に連れて来てもらっただけの私は業務でも何でもないけれど、そんなことをこのオトコに教える必要はないだろう。
そうだ、今夜の私は何も間違ってない。
咎められるようなことは何一つないのだ。自信をもって振り切ろう。
「私、お店に戻りますから」
無言で私を見下ろすオトコを睨みつけた。
まだ一口も丸山シェフの料理を食べていないのだ。食前酒を飲み、料理を眺めただけ。
苦手なキウイのブルスケッタを東くんの口に押し込んだらここに連れ出されてしまったから。
真島さんが興奮する私の腕をつかもうと右腕を伸ばしてくるのが見え、身体をよじらせ後ろに下がった。
「私のことに口出しするのを止めて。真紀はもう地位を確立しているし、家族に何かあったとしてもたいしたダメージにはならない。そうでしょ」
いつだってそうだ。
どうしてこのオトコは真紀のことになると、周りが見えなくなるのだろう。
そんなに真紀のことが大事なら自分が結婚してずっと守ってやればよかったじゃないか。
「丸山シェフの試食会に来ただけで専務さんに叱られるとは思いませんでした。怪しげなパーティーならともかく。あれはうちの会社が企画段階から絡んでいるものなので業務の一環と言ってもいいほどですけど」
息継ぎもせず一気にまくし立ててやった。
正確には仕事が絡んでいるのは松下君だけで、その松下君に連れて来てもらっただけの私は業務でも何でもないけれど、そんなことをこのオトコに教える必要はないだろう。
そうだ、今夜の私は何も間違ってない。
咎められるようなことは何一つないのだ。自信をもって振り切ろう。
「私、お店に戻りますから」
無言で私を見下ろすオトコを睨みつけた。
まだ一口も丸山シェフの料理を食べていないのだ。食前酒を飲み、料理を眺めただけ。
苦手なキウイのブルスケッタを東くんの口に押し込んだらここに連れ出されてしまったから。