嘘の続きは
そうしてその日のうちに朋花を連れて日本を発ってシンガポールに向かうことになったのだが。
空港に着いてフライト時間まで外の景色が見えるラウンジに連れていったところ朋花が目を輝かして呟いたのがさっきの言葉だ。
「テレビの空港の夜景って誇張されてたわけじゃないんですね。深い群青色の空にオレンジ、白、青、黄色の光…飛行機や滑走路が浮かび上がるみたいに輝いていて、これってもう私が知っている日本じゃないみたい」
朋花は真紀よりも丸い瞳をより丸くしてさっきからずっと窓の向こうに広がる夜景に釘付けになっている。
「朋花ちゃん、飲み物のお代わりはどう?」
夢中になっている彼女の邪魔をしないようにしていたが、小声で声をかけると恥ずかしそうに俯いてしまった。
「ごめんなさい、夢中になってしまって。世間知らずな子供で一緒にいて恥ずかしいですよね」
「そんなことないさ。気取ってツンと澄ましていられるよりはずっといい」
そう、朋花は純粋な高校生だ、と思う。
日々芸能界を目指す若い女の子たちを見ていて、俺も内心疲れていた。
外見の美しさを武器にするのはいいが見栄とプライドが服を着て歩いているような女の子たち。
流行に囚われすぎている同じメイクに似たような表情、ファッションの女の子。
黄色い声の訳の分からない言葉を使ってキャーキャーと騒ぐ女の子たち。
だから朋花を見ていると安心する。
落ち着くのだ。
小学生の頃から見ている朋花。彼女は芸能界と近い場所にいても決して交わらないし染まらない。
血の繋がりはないが妹のように可愛いと思うのだ。
このまま大人になって欲しいと思っている。
姉の真紀は芸能界にもまれて裏と表の世界をうまく使い分ける器用な女になりつつあるが、やはりまだ二十歳になったばかりで危なっかしい所もある。
空港に着いてフライト時間まで外の景色が見えるラウンジに連れていったところ朋花が目を輝かして呟いたのがさっきの言葉だ。
「テレビの空港の夜景って誇張されてたわけじゃないんですね。深い群青色の空にオレンジ、白、青、黄色の光…飛行機や滑走路が浮かび上がるみたいに輝いていて、これってもう私が知っている日本じゃないみたい」
朋花は真紀よりも丸い瞳をより丸くしてさっきからずっと窓の向こうに広がる夜景に釘付けになっている。
「朋花ちゃん、飲み物のお代わりはどう?」
夢中になっている彼女の邪魔をしないようにしていたが、小声で声をかけると恥ずかしそうに俯いてしまった。
「ごめんなさい、夢中になってしまって。世間知らずな子供で一緒にいて恥ずかしいですよね」
「そんなことないさ。気取ってツンと澄ましていられるよりはずっといい」
そう、朋花は純粋な高校生だ、と思う。
日々芸能界を目指す若い女の子たちを見ていて、俺も内心疲れていた。
外見の美しさを武器にするのはいいが見栄とプライドが服を着て歩いているような女の子たち。
流行に囚われすぎている同じメイクに似たような表情、ファッションの女の子。
黄色い声の訳の分からない言葉を使ってキャーキャーと騒ぐ女の子たち。
だから朋花を見ていると安心する。
落ち着くのだ。
小学生の頃から見ている朋花。彼女は芸能界と近い場所にいても決して交わらないし染まらない。
血の繋がりはないが妹のように可愛いと思うのだ。
このまま大人になって欲しいと思っている。
姉の真紀は芸能界にもまれて裏と表の世界をうまく使い分ける器用な女になりつつあるが、やはりまだ二十歳になったばかりで危なっかしい所もある。