飴
登校中は、いつものように
ひなみといっぱい喋った。
ひなみと話してると、嫌なことも忘れられるし
明るい気分になれる。
私にとって、とても大切な人だ。
私には、とても大切で、大好きな人が
もう一人いる。
それは、かえでだ。
かえでという、女の子みたいな名前だけれど
私の彼氏で、中学生の時から
付き合っている。
本人は名前で呼ばれるのは
好きじゃないらしく、名字の西山からとって
にっしーという、あだ名をつけている。
にっしーは、サッカー部のキャプテンで
毎日、大きな声を出して
練習を頑張っている。
「そういえば、にっしーと連絡とってないやー
心配かけちゃったかなぁー」
私が、そう言うと
「りんかって、事故の時のこと、
本当になーんにも覚えてないの?」
「そうなんだよねー、本当困っちゃうよー」
「りんかも、勉強はまあまあ出来るけど
そーゆーとこあるよねー・・・あれ??
今日って、水曜日???!」
「うん?・・・そうだけど??」
「やっばい!委員会あるんだったー!
ごめん先行ってるねー」
ひなみは、ごめん、という時には
既に走り出していた。
・・・ひなみが、何かから逃げるように
走っていったと感じたのは
気のせいだろうか・・・