湖都子のポエム10
きっかけは……
つかんだと思ったのに
キミはスルリといなくなってしまった
また色んなことがしたいよ

近くて遠いキミとの関係……

キミと出会うまではこんな気持ち……知らなかった
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奈々が途中で帰った日から、奈々にラインを送っても既読にならなくなった。なんで急に?

なんにもしなくてもいい。一緒に話したり、一緒にいる時間が……俺には大切だった。奈々と繋がりがなくなったら、つまらない日常。あー、つまんねぇ……毎日やってることは同じ。だけど、奈々がいない……これから、こんな毎日が続いていくのか?こんな日が……

だから、奈々に会いに行った。

「奈々ちゃん、なんでラインを無視するんだよ。」
「大和くん……好きな人がいるのなら、こういうのはもうやめよう。」
「好きな人?俺が誰を好きなのか知ってんの?」
「それは、知らないけど……」
「俺が好きなのは、奈々ちゃんだよ。」
「うそ……幸太くんは、他に好きな人がいるって……」
「そっか。幸太から聞いたのか。でも、俺が誰を好きなのかを、幸太は知らないんだよ。」
「うそ……私なんて……」
「私なんて……とか言うなよ。俺は中学の時からずっと奈々ちゃんが好きだった。葵がいたから、諦めてたけど、葵が他のやつと付き合ってるって聞いて、幸太のことで会うきっかけにしたんだ。」
奈々は何もわかってない。俺が奈々のことをどんだけ好きなのか……
「そんなの……知らなかった。」
「もっと仲良くなってから告白するつもりだったんだよ。こんな風にじゃなく、もっとかっこよく……」
奈々は俺のことをどう思ってる?
「この間、幸太くんに大和くんには好きな子がいるから、つきまとわないでやってよ。って言われて……」
あいつ、何言ってんだよ。怒りがこみあげてきた。
「そんなこと言ったのか……」
「うん……それで気づいたの……もう大和くんに会えなくなるんだなぁーって……」
「それで、ラインを無視したの?」
既読スルーされて、なんか俺なんていなくても……他の誰かでもいいんじゃないかって気がしてへこんでたんだ。
「うん……見たら……会いたくなっちゃうもの……」
「え……」
奈々が、はっとして、口をおさえた。

傷ついたり……怖くても……ぶつかっていかなきゃいけない時もある……

「俺はずっと奈々ちゃんが……奈々ちゃんだけが好きだったよ。これからだって、奈々ちゃんじゃなきゃダメなんだ。奈々ちゃんは?」
「私は……この間気づいたばっかりだけど……大和くんのことが好きなんだと思う。」

幸太のことはむかつくけど、あれがなかったら……奈々ちゃんは俺のことを好きだって気づかなかったってことか……何がきっかけになるかわかんねーな……
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