泣き虫な僕達へ
小学校6年生の夏。
母と姉3人で東京にいる父に会いに行った。
2泊3日。ねずみの国にも行った。
父は小綺麗なワンルームに住んでいた。
久しぶりの家族4人での生活だった。

「東京に行かない?」

母が言った。
東京旅行から帰って一週間後くらいだった。

「やっぱり、家族4人で居る方が、優も寧々(姉)も幸せだと思うの。」

当時の私は、幼稚園から一緒だった女の子と喧嘩をして、子供特有の仲間外れ的ないじめを受けていた。
変なところで負けず嫌いなので、面倒だな、くらいにしか思っていなかった。

「行く。」

即答だった。
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