秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
プロローグ
――初恋は、まるでパンケーキのようだった。
ふわふわで温かくて、メイプルシロップのように甘くて、上に乗っているバターのように、とろとろに溶けちゃうくらい彼のことが好きで。
私、こんなに幸せでいいの?って聞きたくなるくらい、大好きな人と一緒にいられることが嬉しくて……。
何をしていても、どこにいても、彼に夢中。
世界はふたりのために回っているんじゃないかと思うくらい、毎日が愛とハッピーで溢れていた。
あんなに舞い上がっていたのは、私が若かったから?
でも……あの恋は、私の人生を大きく変えるくらいの大恋愛だった。
今でも深く胸に刻まれていて、忘れることができない。
だから私は彼にもらったものを大切に守っていくんだ。
一人で、大事に――。
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